自己破産

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借金などの債務が多すぎて、返済が困難になった場合に、裁判所に救済を求める手続。これを自己破産といいます。

自己破産手続の中で免責が認められれば、債務を返済する必要がなくなります。
持家や新車などは処分しなければなりませんが、テレビやエアコンなど日常的に使用している財産はそのままで、手続をすすめることができます。
決して「自己破産=全てを失う」手続ではありません。借金に追われる生活をリセットし、新たな人生を始めましょう。

このような方におすすめ

◯定期的な収入が無い方

◯収入があっても、家族と自分の生活で手一杯な方
収入が無い場合や、収入があったとしても家族の生活費等で分割払でも返済が不可能な場合には、自己破産をすることとになります。自己破産はイメージが悪いですが、借金を返済しなくても良くなるので、債務整理の手続の中ではもっとも強力な解決方法です。

◯財産がほとんど存在しない方
財産が全く無いか、あっても99万円以下の場合には自己破産の手続のほうがメリットが大きくなります。なぜなら、財産を処分する必要が無いからです。自己破産をしても、生活に困ることはありません。
例えば、以下の財産は残せる場合がほとんどです。

①処分価格が99万円以下の自動車。ただし、ローンを完済している場合に限る。
②解約返戻金が99万円以下の保険
③エアコン、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなど家電各種
④そのほか、生活必需品すべて

このように、自己破産をすることで財産を処分しなければならないというケースはほとんどありません。

自己破産のメリット・デメリット

メリット
    • 手続に着手すると、その時点で債権者からの取立・督促が止まる
    • 免責されれば借金を返済する必要がなくなる
デメリット
  • 自宅・新車など高価な財産は処分しなければならない※中古車等の場合は処分しなくてよい場合が多いです。
  • 官報に記載される※もっとも一般の人に知られることはまずありません
  • 職業制限がある破産開始決定後、免責決定を受けるまで、警備員・保険募集人・宅地建物取引主任者等に就くことができなくなります。
  • 信用情報機関(通称ブラックリスト)に事故情報として記録されるため、ローンを組んだり、クレジットカードは作れなくなります。

打ち合わせ時に必要な書類

①すべての預金通帳
②世帯全員分の収入がわかるもの(給与明細書、年金振込通知など)
③前年度に収入があった方は源泉徴収票または課税証明書。無い方は非課税証明書。
④未納市税等内訳書(税金の滞納がある場合)
⑤車検証(自身または同居家族が自動車、バイク等を所有している場合)
⑥保険証書(自身または同居家族が共済、生命保険、自動車の任意保険等に加入している場合)
⑦賃貸借契約書(お住まいの住宅が賃貸の場合)
⑧家計表
⑨診断書(現在治療中の病気がある場合)

※これらは一般的に必要となる書類です。個々の事案に応じてさらに書類をご用意いただくようお願いする場合もあります。

自己破産の流れ

①と③は依頼者様にご協力頂きますが、その他は全て当事務所にお任せください。
自己破産の流れ

催促・取立ての停止
「審尋」とは、裁判官との面接のことです。
自己破産の手続きでは、返済できない状況にあるかを判断するための「破産審尋」と借金を免除することが妥当かを判断するための「免責審尋」という2つの審尋が行われます。地域によって異なりますが、千葉地方裁判所では、これらの審尋を同時に行います。個別審尋ですので、時間を厳守し、必ずおいで下さい。
緊張されるとは思いますが、事前に弁護士と練習をしますので不安に思う必要はありません
申立て書類の記載内容に基づいて進み、裁判官が口答で何点か確認をしてきますのでそれに答えていきます。
質問内容は、以下のようなものです。

  • 1.借金をした理由
  • 2.債務が増え返済が不可能になった経緯
  • 3.経済状況
  • 4.高価な財産の有無
  • 5.免責不許可事由(ギャンブル、浪費等)の有無

免責許可は、債権者を犠牲にして、借金の免除という強い効果を発生させるものです。
そこで、免責許可を得るにふさわしくない場合として、法は免責不許可事由を定めています。
調査の結果、以下の事情があると、免責は認められない場合があります。ただし、事情により許可が下りる場合が多いのでご相談下さい。

  • 1.過去7年以内に免責を受けたことがある
  • 2.債務原因が浪費(パチンコ・競馬等のギャンブル、キャバクラ等での高額な飲食代、明らかに収入に見合わない高価な買い物など)によるもの
  • 3.複数の債権者がいる中で、特定の債権者だけに担保の提供や弁済を行った(親兄弟なども含む)
  • 4.裁判所に対する説明の拒否・虚偽の説明など
  • 5.資産・資料隠しなどの妨害行為や不正行為
  • など

復権とは、破産申立人が、「破産者」でなくなることをいいます。
復権後は、上記の資格制限は解除されます。
免責許可決定が確定(免責許可決定の公告後、2週間経過)すると自動的に復権することになります。

破産申立人は、破産開始決定後は復権(免責許可決定が確定)するまでは、下記の職に就くことはできなくなります。

  • 1.警備員(警備業法14条1項,3条1号)
  • 2.保険募集人(保険業法279条1項1号)
  • 3.宅地建物取引主任者(宅地建物取引業法18条1項3号)
  • 4.旅行業務取扱管理者(旅行業法11条の2第5項,6条1項5号)
  • 5.行政書士(行政書士法2条の2第3号)
  • 他にも制限のある職種がございますので、ご相談下さい。

破産後の注意点

<ローン・クレジットカードの利用ができなくなります>
破産後の注意点破産により、個人信用情報機関の事故情報(通称ブラックリスト)に登録されていますので、今後7~10年間(会社によって期間は異なります)はローンを組んだり、クレジットカードを作成することができなくなります。
また、一定期間の経過以外にブラックリストの登録を抹消する方法はありませんので、抹消をうたった詐欺にもご注意下さい。
なお、銀行のカード(通帳)は作成できますし、預金も普通にできます。

<ヤミ金に注意>
破産手続開始決定から1~2ヶ月後に官報に名前が記載されますが、これを見た消費者金融やヤミ金融からダイレクトメールが届くことが多いようです。
新規融資を持ちかけてきますが、これは上記の7年間破産できない点を狙ったものです。
このようなダイレクトメールは、ヤミ金・悪徳金融業者の可能性が非常に高いので、ヤミ金や消費者金融から絶対に借り入れをしないで下さい。

<税金・社会保険料などは免責されていません>
以下の債務は免責されていませんので、お支払いをする必要があります。
・税金(区民税・自動車税・固定資産税など)
・社会保険料(健康保険料など)
・公共料金(水道代・電気代・ガス代など)
・破産者が養育者、または扶養義務者として負担すべき費用
・罰金

自己破産にかかる費用

着手金 200,000円
報酬金 ・免責報酬:免責決定を得た場合100,000円
・過払金回収報酬:過払金を回収した場合、回収額の 19.0%
経費 ・日当 1出廷につき5,000円

月額5,000円からの分割払いも可能です。
注:別途消費税が加算されます。
注:収入印紙代・郵便切手代・謄写料等の必要経費として、事案に応じて1~3万円程度を預り金とさせていただいております。

よくあるご質問と回答

自己破産をしたら選挙権がなくなってしまいますか?
A.いいえ
選挙権や被選挙権などは喪失しません。これまでと同様に選挙に参加できます。
公民権は国民の権利であり、破産では侵害されることはありません。
自己破産をしたときのデメリットが気になって・・・
A.後の日常生活に支障は出ません。
・戸籍や住民票に記載されることはありません。
・近所に知れ渡ったりはしません。
(破産者名簿と官報には記載されますが、これらを一般の人が目にすることはありません)
・以後の収入を管理されたり使用を制限されることはありません。
・家族や子孫の将来の生活に影響はありません
(※家族が連帯保証人になっていれば支払い義務が生じます。その場合は保証人も含めた債務整理が必要ですので、まずは全てを正直に話しましょう)
・勤め先に連絡が行ったり解雇されたりはしません。
(※手続き期間中は職業制限がありますが、免責決定後はこの制限もなくなります)