個人再生

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原則3年間の返済計画をたてることで、総債務額を10~20%程度(最低100万円)に減額する法的救済手続。
これを個人再生(小規模個人再生)といいます。

個人再生個人再生では借金が大幅に減額されますが、自己破産のように借金が全部なくなることはありません。
最低3年間は決められた金額を返していく必要があります。そのため、定期的かつ安定した収入が将来的に見込めることが条件となります。その分、他の条件は自己破産よりも緩やかになっています。
具体的には以下の特徴があります。

①住宅ローン特則
ローン中のマイホームを手放すことなく債務整理を行えます。
②免責不許可事由がない
借金の原因がギャンブル等のため破産できない方でも利用できます。
③資格制限がない
破産ならば資格を失う警備員や保険募集人でも、資格制限を受けることがありません。

他方で、返済できるだけの収入状況も必要ですので、上記の特徴にメリットのある方が選択すべき方法といえます。

このような方におすすめ

◯借金を減らしたいが住宅ローンがある方
住宅資金特別条項により、ほとんどの場合には住宅を守ることができます。

◯借金を返済していきたいが、任意整理が困難な方
日本保証(旧武富士)やアイフル等、分割返済に応じてもらえない業者が債権者にいる場合には、給与所得者再生であれば大幅に債務の減額と分割弁済の強制ができます。
小規模個人再生の場合でも、現在のところ必ず減額に応じていただいております。
また、任意整理の場合は原則として借入金の元金は全額返済しなければいけませんが、個人再生の場合には最低100万円または5分の1以下に借金が減額されます。

◯借金の原因が浪費だったり、偏頗弁済といった破産の免責不許可事由がある方
小規模個人再生においては、破産と異なり借金の原因については原則として問われないことになっています。

◯保険外交員、会社役員などの破産手続が辞任事由になる職業についている方
ただし、小規模個人再生は「定期的な収入があること」が適用のための絶対条件となります。依頼時に定期的な収入が無くても、申立時に定期的な収入があれば問題はありません。

個人再生のメリット・デメリット

メリット
  • 手続に着手すると、その時点で債権者からの取立・督促が止まる
  • 手続終了まで返済も停止してよい
  • 債務総額を圧縮できる
  • 住宅ローン特則を利用すればマイホームを手放さなくてすむ
  • 手続が開始されれば債権者は強制執行できなくなる
  • 自己破産のような免責不許可事由がない
  • 自己破産のような各種の資格制限がない
デメリット
  • 3年かけて返済できるだけの収入・資産状況が必要
  • 負債総額が5000万円を超えない場合に限定される
  • 原則3年間返済し続けなければ免責を受けられないので、完全な解決まで時間がかかる
  • 信用情報機関(通称ブラックリスト)に情報が掲載されるので、7年~10年間は自分名義のクレジットカードを作ったり、新たな融資は受けることができない

個人再生の流れ

は依頼者様にご協力頂きますが、その他は全て当事務所にお任せください。
※個人再生の手続終了後は、裁判所の監視・監督はありません。

個人再生の流れ

<最低弁済額>
個々の事情にもよりますが、3年間の総返済額は法で定める最低弁済額(法231条2項4号)に近いものとなります。
具体的には以下の通りです。

債務の総額 最低弁済額
100万円以上〜500万円未満 100万円
500万円以上〜1500万円未満 債務の20%
1500万円以上〜3000万円未満 300万円
3000万円以上〜5000万円未満 債務の30%

<住宅ローン特則>
住宅ローン特則自宅を購入し、住宅ローンを組む際には抵当権をつけることがほとんどですが、住宅ローンの返済が滞ると、抵当権を実行され自宅を失ってしまうことになります。
この抵当権の実行を防ぎ、自宅を手元に残して、生活の基盤を維持したまま、再生を図るのが住宅ローン特則です。

その内容は、住宅ローン残額については減額せず、支払い方法を繰り延べるものであり、その繰り延べ方により下記のパターンに分かれます。

①原契約の通り
ローンの支払いが遅れていない場合にはそのまま支払い続けて手続きを進めることができます。

②期限利益喪失の回復型
滞納金等を最大5年以内に支払うことを再生計画とすることで、一括請求されていたものを分割払いに戻します。
※滞納金等が加算された再生計画返済額に加えて、従前の返済額での住宅ローンの返済も必要です。

③弁済期間延長型
②での返済が困難な場合、住宅ローンの返済期間を最長10年間延長することができます。
※最終弁済時に申立人が70歳を超えていてはいけません。

④元本先送り型
③での返済が困難な場合、再生計画に応じた返済期間中(原則3年)は、住宅ローンの一部のみの返済でよいとすることができます。
※あくまで返済時期の先送りであって、減額ではありません。

⑤住宅ローン債権者の同意型
住宅ローン債権者の同意を得れば、上記以外の内容(10年以上の返済期間の延長など)を定めることもできます。

<振込サポート>
再生計画認可決定後、各債権者に返済が始まります。
返済先は5社以上になることが多く、お仕事が忙しい中、3年に渡って返済を続けることは大変煩わしいと思われます。
そこで、当事務所では振込みの代行を承ります。これまで通り、当事務所宛のみにお振込みいただければ、当事務所がすべての債権者へご返済いたします。 ぜひご利用下さい。
(1社につき1,000円の代行手数料がかかります。)

個人再生にかかる費用

着手金 220,000円
報酬金 250,000円
(住宅資金特別条項を付ける場合は50,000円を加算)
経費 日当:1出廷につき5,000円

月額30,000円からの分割払いも可能です。
注:別途消費税が加算されます。
注:収入印紙代・郵便切手代・謄写料等の必要経費として、事案に応じて1~3万円程度を預り金とさせていただいております。

よくあるご質問と回答

個人再生は、どのような人が利用可能ですか?
A.一定の収入があり月々の返済が可能な上で生活もまかなえる方です。
自己破産のような免責不許可事由(浪費やギャンブルなどによる借金)がある場合でも大丈夫です。
計画通り返済できなかった場合はどうなるんですか?
A.減額された債務を4分の3以上返済していた場合、申立により免責を受けることができる場合があります。
上記に該当しない場合、破産手続への移行をおすすめしています。
個人再生は、自己破産と何が違うんですか?
A.自己破産は免責を受ければ借金がなくなりますが、個人再生は債務を減額した上で3年間支払いをしていきます。
個人再生では借金が大幅に減額されますが、自己破産のように借金が全部なくなることはありません。
最低3年間は決められた金額を返していく必要があります。 自己破産の場合の免責不許可事由(浪費やギャンブルなどによる借金)がある場合も、個人再生では問題ありません。 自己破産ですと家などの財産は手放さなければなりませんが、 個人再生なら住宅ローン特則を利用しマイホームを守れます。 また、自己破産のように資格を制限(生命保険募集員、警備員など)されません。
滞納した税金も減額されますか?
A.社会保険、国民健康保険料などの税金は減額されませんので、未納分がある場合は返済する必要があります。
※市役所で相談すれば分割払いに応じて頂けます。