慰謝料
「慰謝料」とは、離婚原因および離婚そのものによって受けたダメージについて、原因を作った側(有責配偶者)に対してもう一方が請求する損害賠償金のことです。
そのため、特に著しい理由がなく、双方の合意によって離婚をした場合や、双方に原因がある場合などは慰謝料は発生しません。また、慰謝料に贈与税、所得税は課されません。
<慰謝料を請求できる離婚原因>
・不貞行為
・DV(家庭内暴力)
・精神的虐待
・生活費を渡さない
・しかるべき理由なく同居する住居以外に生活の拠点を置いて帰ってこない
などの「悪意の遺棄」(夫婦間の同居義務・協力義務・扶助義務に違反する行為) など
<慰謝料の平均額>
慰謝料の金額はそれぞれの場合で異なり、離婚原因、苦痛の程度、婚姻期間、資産、未成年の子供の養育環境などを考慮して決定します。
通常は夫婦間の協議で決めますが、家庭裁判所の調停や判決で決められることもあります。また、財産分与と合算されることもあります(慰謝料的財産分与といいます)。
サラリーマンの場合で、財産分与と慰謝料を合わせて200万から500万円が一般的ですが、婚姻期間が長いほど高額になる場合が多く、離婚原因と婚姻期間によっては200万以下だったり、逆に1000万を超えるケースもあるなど、それぞれの場合で大きく異なります。
財産分与
「財産分与」とは、婚姻期間中の夫婦共同財産を清算して分けることです。
各財産の形成維持に際して、それぞれがどれほど貢献したかに応じて清算され、離婚の責任等と分割割合は関係ありません。 収入を持たない専業主婦が受け取れる割合は、少し前までは総財産の30%程度でしたが、現在では二分の一というのが一般的となっています。
なお、財産の種類とその分与方法によっては税金がかかるものがあります(譲渡所得税など)。原則的に、売却して現金化すれば、税金はかかりません。財産分与の請求が出来るのは、離婚成立の日から2年以内です。
<財産分与の対象になる財産>
婚姻期間中に夫婦で協力して得た財産…現金、預貯金、住宅、自動車、土地、家財道具、有価証券、会員権、満期になった生命保険、退職金(将来的なものであっても認められることが多い)、年金 など。